ヒト由来の腸内細菌 コッカスAD株

腸内細菌と免疫力

自己免疫疾患やアレルギーは免疫細胞の暴走

自己免疫疾患は、身体を守るための免疫が正常に機能しなくなり、自分自身を攻撃してしまう病気です。
一方、アレルギー疾患は、外から侵入してきた異物、例えば小麦や卵、花粉など、本来特に害のないものに対し、免疫細胞が過剰に反応し、正常な組織を傷つけるような攻撃を仕掛けてしまう病気です。
いずれも、「免疫細胞の暴走」が原因といえます。

免疫細胞の暴走の一因は、制御性T細胞(Tレグ)不足

キラーT細胞は、「殺し屋」と呼ばれる細胞で、敵に向かって攻撃をしかけますが、制御性T細胞(Tレグ)が攻撃停止命令を出さない限り、攻撃を止めません。
また、戦いの武器となる「抗体」をつくるB細胞ですが、B細胞も同じく、制御性T細胞(Tレグ)が中止命令を出すまで、抗体をつくるのを止めません。
本来、抗原に対し適量の抗体をつくり、武器とすべきところ、歯止めなく過剰につくり続けてしまった抗体が本来敵ではない細胞を攻撃する武器となってしまうことがあります。 つまり、攻撃を制御したり、終了に導く役割を担う制御性T細胞(Tレグ)が必要量十分に存在し、且つ、正常に機能しなければ、免疫細胞の暴走が起こるといえます。

制御性T細胞(Tレグ)が不足するのはなぜか

未分化な、つまり、まだキラーT細胞にも、制御性T細胞(Tレグ)にもなっていない卵のような状態にある免疫細胞は、短鎖脂肪酸(腸内フローラがつくる酪酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸)によって遺伝子が切り替えられ、制御性T細胞(Tレグ)となります。
短鎖脂肪酸の生産量が落ち込めば、制御性T細胞(Tレグ)の生成も不足します。

自己免疫疾患やアレルギーに「さよなら」するには

キラーT細胞の暴走をSTOPさせる役割 である 制御性T細胞(Tレグ)を増産させることです。
腸内フローラを健康にし 、短鎖脂肪酸をたくさん生産させると、制御性T細胞(Tレグ)が増え、自己免疫疾患やアレルギーに「さよなら」することができます。短鎖脂肪酸によって、制御性T細胞(Tレグ)が十分量つくられれば、免疫細胞T細胞を正常に制御することが出来、暴走は起こらず、自己免疫疾患やアレルギーは起こりません。

つまり、腸内フローラを増やし、豊かに健康にすることにより、アレルギーを「治す」のではなく、アレルギーの原因そのものを「消滅」させる力を生み出す、ということなのです。
腸内フローラを増やし、増殖した菌が食べるための食物(野菜など)を十分に与えることによって実現することができます。

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