ヒト由来の腸内細菌 コッカスAD株

腸内細菌と健康

1.腸内細菌はビタミンをつくります

ビタミンとは

ビタミンとは何でしょうか。生物学事典には、「ビタミンとは、生物が正常な生理機能を営むために、その必要量は微量であるが、自分ではそれを生成・合成できず、他の天然物から栄養素として取り入れなければならない一群の有機物である」と書かれています。つまり、「ビタミン」は、私たち人間を含めたすべての生物に、微量で体の調節をする働きを持っています。しかも、生物の体内で生成・合成ができず、外界から取り入れなければならない栄養です。ビタミンが不足した場合は、免疫力の低下、成長の低下、潰瘍になりやすいなど、さまざまな症状が出てきます。それだけに、私たちにとって重要な栄養で、私たちが生きていく上で、絶対になくてはならないものです。

ビタミンをつくる腸内細菌

通常、ビタミンはいろいろな食物を通して体内に取り込んでいますが、腸内細菌もビタミンをつくっていることが分かってきました。ネズミやウサギなどは食糞(コプロファージ)といって、排泄したばかりの糞を食べる習性があります。糞の中に混入している腸内細菌を取り入れることで、ビタミンを供給すると考えられています。実際に、ビタミンがつくり出していることが動物実験で確認されています。例えば、ビタミンB群の一つでパントテン酸というものがあります。ネズミの腸から取り出した腸内細菌を培養して、パントテン酸をつくるかどうか調べた結果、腸内細菌がパントテン酸をつくっていることが分かりました。このように、さまざまな動物実験や調査により現在確認されている腸内細菌がつくり出すビタミンは、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸)、ビタミンH(ビオチン入葉酸、ニコチン酸)などがあります。

2.腸内細菌はカルシウムの働きを助けます

カルシウム不足は深刻です

最近、転んだだけで骨折してしまう子供の問題、骨粗しょう症患者の増加の問題が深刻化しています。これはカルシウム不足が大きな原因です。実際、国民栄養調査の結果でも、日本人に足りない栄養素の一つとなっています。カルシウム不足は、骨がもろく折れやすくなるばかりでなく、高血圧や動脈硬化、糖尿病を促進させたり、神経過敏になり「イライラ」させたりします。カルシウムは、私たち人間にとって大事な栄養素(ミネラル)の一つです。

カルシウムの働きを助ける腸内細菌

カルシウムを摂取すればするほど、体内にカルシウムが吸収される量が増えるとは限りません。このカルシウムの利用率と、その働きを高めるためには、カルシウム・マグネシウム・ビタミンC・ビタミンD・腸内細菌の組み合わせが重要となります。また、ミネラル(カルシウム、マグネシウム)とビタミンと腸内細菌は単独で働くのではなく、それぞれが相互に働きを高め合う性質があります。つまり、その組み合わせ方が重要となります。
カルシウムとマグネシウムは一緒に働いて健康な歯や骨をつくり、心臓や血管の健康を維持しています。ビタミンCはカルシウムの働きを高めます。また、ビタミンDはカルシウムを運び、沈着させるためになくてはならないものです。そして腸内細菌は、いろいろなビタミンをつくり、カルシウムなどのミネラルの吸収や余分なミネラルの排出に役立っています。

腸内細菌と各種ミネラル・ビタミンは、密接な関わりを持ちながら私たちの健康維持に関与しています。腸内細菌はいろいろなビタミンをつくり、私たちに供給しているのと同時に、食品から摂取するミネラルやビタミンなどを代謝し、その形や働きに影響を与えます。

3.腸内細菌は生活習慣病の予防をサポート

過剰なコレステロールは生活習慣病のもと

近年、日本人の食生活が欧米化して、動物性脂肪をたくさんとるようになってきました。脂肪のとり過ぎはコレステロール値を上げ、血管壁にコレステロールを沈着させて動脈硬化を進行させます。それが原因で心臓病や脳卒中などになります。これはもう、周知のこととなってきました。

腸内細菌が余分なコレステロールを排除する

過剰にとったコレステロールの体内での蓄積を抑え、排泄する腸内細菌が人間の腸管から発見されています。それは、血清コレステロール値が高い人と低い人の腸内細菌の調査からはじまりました。血清コレステロール値の低い人には、特定の腸内細菌が多く存在することが分かりました。その腸内細菌は、体内に取り込まれた糖を分解して多量の乳酸や酢酸をつくり出す菌です。その菌はエンテロコッカス(属)の中から発見され、さらに特定の種、株が分かりました。それを発見した研究者が、エンテロコッカス・フェカリス・AD株101と命名したわけです。このエンテロコッカス・フェカリス・AD株101は、エンテロコッカスが属、フェカリスが種、AD株101が株にあたります。

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